オンエアバトル

私は将来お笑い芸人になるのではないか?

 

と思うくらいお笑いが好きだった。

 

当時NHKで放送されていた爆笑オンエアバトルは毎週録画して何回も見ていた。

 

当時、関西の漫才師の勢いは凄かった。

ルート33さん、ますだおかださん、アメリカザリガニさん、中川家さん、ハリガネロックさんは20~30秒に一回客席の爆笑をとっているような5分の持ち時間があっという間に過ぎていく漫才だった。オンバトは客席が審査員であるため、全員を笑わせるネタでないと結果が出せない。今でもネタが思い出せるような上記のコンビは当時の私のハートをわしづかみにした。

 

そんな中、私が当時一番もっとネタをみたいと思った芸人さんは、東京の漫才師、品川庄司さんであった。

 

一番最初にオンエアされたネタは確か刑事のコントだったと思う。このネタはビデオ録画が途中で切れてしまっており、最後まで見れていなかったが、正直イマイチと思ったのを覚えている。

 

2回目のオンエアからは漫才。品川さんがボンバーヘッドという歌(世代的に知らない歌)を歌うことベースにボケが進行していくというネタで、凄く印象に残ったのを覚えている。

 

当時中学生の私だったが、妙に大人の漫才という気がして新しさを感じた。

 

品川さんが庄司さんを小バカにしている感じと、ベタなボケをちょっと戸惑いぎみっぽく突っ込む庄司さんの雰囲気が、少し都会のお兄さんのふざけあいみたいに見えた。

 

品川さんは回を重ねるごとに小バカにしている雰囲気が加速していったような気がする。これをどんどん笑いに変えていく。キャラクターが際立つとネタが面白くなるんだなーと当時思った。

 

というか、当時私が持っていたネタ帳にそう書いていた。

いわゆる売れる人の雰囲気が当時からあったと思う。

 

品川さんがネタ中に女になったり、庄司さんの鼻毛を5分間いじり続けたりともう漫才すら小バカにしている雰囲気に笑いが止まらなかった。

 

今から考えてみると、品川さんの自分が一番だ!という自信や庄司さんのことを本当にバカだと思っているからこそのあの面白さだったと思う。

 

たぶん、全く同じネタをうまい漫才師がやってもあの面白さはでないだろう。

今の品川庄司が過去のネタをやっても正直当時の面白さはなくて、今っぽい面白さになってしまうだろう。

 

劇場で漫才やっているのであれば見たいと思う。できれば新ネタで、品川さんが庄司さんを昔以上にバカにするネタ、または必要以上に誉めちぎるネタが見てみたい。